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イヤミたっぷり……陥りがちなワナ

私も色々な会社にいたり、色々な方から話しを聞くと、陥りがちなワナって結構共通しているものです。「あ、そうそう、うちもそうだよ」なんてなっていたらまずいですよ……毒が強いので、そういうのがイヤな方は読まないようにしてください。このページについての苦情は受け付けませんので(笑)。他人事なので、言いたい放題です。とりあえず自分のことは棚にあげちゃいます(笑)。

 

●カドをとっちゃう症候群

しごく真っ当なコンセプトの商品が上がってきても、真っ当であるほどとんがっているが故に、社内の番頭・長老がよってたかって「あーせい、こーせい」と会議でカドをとってしまい、その結果、差別化できていない、フツーの商品になってしまう。

特に、若手社員が課長に、課長が部長に、部長が取締役に、なんていう意思決定プロセスをとっている会社(っていうか、それが普通ですけど)は陥りがち。

若手にも古手にも言い分はある。若手にしてみれば、「なんであいつらはこの感性を理解しないんだ」と思うし、古手にしてみれば、「なんて練られていないコンセプトなんだ」と思っているから、どっちもどっち。若手が作ってきたコンセプトを最大限尊重し、その方向で行くためにはどうすればいいか、経験豊かな長老がサポートする、というのが理想だが普通はそうはいかない。だから、やりがいを感じられない若手がやめ、長老は「うちにはロクなやつがいない」となる。

これを解決するためによくやるのが、「社長直轄」のプロジェクト。ただそれも、「このプロジェクトメンバーの言うことを聞かないヤツは、専務であろうとクビだ」くらいに社長が思い切れればいいが、そこまで出来ないために、結局社内政治につぶされる……あー、難しい。

大体、全員が納得するような商品は、競合も「これはいい」と思ってすぐレスポンスするから、差別化できない。競合が「バカかあいつら」と笑っているような商品なら、うまくいったときに競合の反応が遅れる。逆に言えば、社内で「バカかおまえは」と言われないようなアイディアでは差別化できない。それで、その笑われる商品を通す度量があるかどうか……

私が注目しているある菓子メーカーは、非常にユニーク、革新的で、リスクを取った(だから結構失敗もする)商品展開をしている。その会社の社員に、「何でこんなことが御社はできるんですか? 普通こんなこと、社内の反対で出来ないですよね?」と疑問をぶつけてみた。その答えは………「それ、社長が自分でやってるから。」 納得。社長自ら商品を企画し、出していけば可能。その会社みたいに社長が有能なら素晴らしいけど、無能な人が自己満足でやると会社をつぶして多額の借金を負うことになる(そんな実例も見てきた……)。自分が無能だと割り切れる有能な経営者は、有能な社員に思い切って任せられる。自分が有能だと思っている無能な経営者は、自分でやってつぶす。自分が有能だと思っている有能な経営者(極めて少ない)は、トップダウンで成功する。

リスクを取ってカドを残せるか……リスクを避けるためにカドを取って、かえって失敗するリスクを上げるか……それは、どの組織も悩む問題なんです。ちょっとびっくりしたのは、クイックルワイパーを花王が出したときに、それに反対する役員がいたらしいこと。畳の家にお住まいになっていらっしゃる役員様には、クイックルワイパーの良さが理解できなかったらしい。天下の花王さんですらそうなんだから、普通の会社にとっては本当に難しいことになる。

100%できる処方箋は、はっきり言ってない。カドがあればいいってもんでもない。一つの回答はテストマーケティング。カドがバリバリにある商品を一部で売ってみるとかしてみる。一気にやると危険なので、数量やエリア限定で行ってみればいい。

 

●社内しか見てない症候群

新商品会議などで、「そんなの出したら、うちのあの商品を食っちゃうだろ」という発言が出てくる会社はこの症候群にかかってます。そう言う発言があると、「大丈夫ですよ、どうせ競合が出してきてどうせ食われちゃいますから」と言ってあげたくなる。さらに「じゃあ、競合が同じ商品を出してきて食われたら、あなたが全責任を取るんですね」と問いつめたくなる。

「競合のあの商品に、それで勝てるのか!?」というのが、本来出るべき発想。競争は一人でやってんじゃないんだから。この症候群は、いわゆる成功の復讐の一つで、トップシェアの会社が陥りやすい。PC98という巨大資産を持っていたためにDOSVへの参入が遅れたNECなんかが典型例。NECのような大成功した超一流企業でさえ陥る。というか大成功したから陥る。弱小企業はそんな心配がないため、思い切った手を打てるがそれを支える資源が無いという厳しいジレンマ。

処方箋は……割り切るしか無いですね。

 

●「オレがそう思うから」症候群

上司にある企画をプレゼンして、答えはNO。その理由がふるっている。「でもオレはそう思わない」。終わり。「え、理由は何ですか?」「だからオレはそう思わないからだよ」「だからその理由は何ですか?」「おまえもしつこいな! オレがだめだっつったらダメなんだよ!」。

当然上司が無能なのが最大の原因ですが、そう言わせてしまう部下にも原因がある。言い方がまずかったか、虎の尾をふんだか、政治的に何かがあるか、そのあたりを読み切れなかったのが敗因。ただ、普通の部下は、そういったときには「オレが悪かった」とはまず思わない。「何だあのバカ上司は」と愚痴をこぼす。そうなると組織に負のエネルギーが満ちてきて、危険信号が点灯する。

コミュニケーションが闊達な会社であれば、その上司の上司に話を持って行くという飛び道具も普通に使えるが、普通はそれをやると上司の逆鱗に触れ、回復不能なダメージを負い、持ち金半分失って教会で生き返る(ドラクエね)。

処方箋は、「人と意見の分離」がきっちりできるような、社内でディベートができるような文化をつくること。上司の上司の前で、部下と上司がディベートして、上司の上司が真っ当な判断を下し、両者ともそれに従う、というような状態ができれば、そのような説明できない上司が淘汰されていく。これも言うはやすしだが、本当に難しい。

 

●言ってることとやってることが違う症候群

ある小売店の話。特定されるとシャレにならないのでぼかします。10年近く前の話なので、まあいいでしょう。その小売店は、「うちはお取引先を最大限大事にします」と社長がよくマスコミで言ってます。そこだけ読むと、「あー、立派な会社だなあ」と。しかし、現場は全くそうじゃない。私はこの目で見たんです。商談会の場で、はっきり言われました。「おまえら、いてもしょうがないから帰れ」と。それも何回も。しかもその方は役員の覚えがメデタイ方だそうで……

そんなことやってると……しっぺ返しを食いますよ。そんなバイヤーに顧客のことが見えるわけないですからね〜。その社長も案外節穴、裸の王様。まあ組織が大きくなると、そこまで統制しろというのはコクかもしれませんが。

 

●ウチの業界は特殊・ウチの会社は特殊

なぜか、どの業界に行っても、会社に行っても聞く、不思議な言葉。どこが特殊なのかよくよく聞いてみると、全く特殊ではない。できない言い訳として使われているので、元気がいい会社ではあまり聞かない。

この言葉が組織に蔓延すると、誰も何も行動を起こさなくなる。業界全体がそう思っているありがたい業界もあるが、新規参入が他業種から起きると、ひとたまりもない。

まずはトップ・幹部が改心しないといけない。トップが改心したら、社員全員に売れたま!を購読させたり、このCDを全員に百回くらい繰り返し聞かせたりすると、ひょっとしてまだ一縷の望みは出てくるかも知れない……

もしあなたが本当に「特殊」だと思っているのなら、それはかなり重症。マーケティング脳のページ へ行って、マーケティング脳を今すぐつけましょう。

 

●売上未達症候群

英語の正式名称はUnattained REvenue Syndrome、略してウレズ症候群。頑張らないで売れないのは論外として、頑張っても頑張っても売れない症候群。そんなときは何かが間違っているので、図解 実戦マーケティング戦略と、メルマガ売れたま!を処方します。重症なら、ちょっと高いけどこのCDもいるかも。

 


 

 

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