●戦略の必要性
戦略が無ければ、今100やっていることを120にするために血みどろの努力をします。100件の訪問を120件にしたり、100円の原価を90円に下げたり・・・。それが出来るうちはいいのですが、今はみんな努力してやっています。そのお客様も販路開拓を必死でやっていらっしゃる努力は良いでしょう。しかし、そのような、「直線的な努力」では限界があるのです。結局体力の限界で力つきていきます。
「販路開拓」に力を入れるのではなく、例えばそれを別の会社にやってもらう、お客様からこちらを探してもらう、そもそも販路開拓なんかしないで代理店にやってもらう、などなど、ちょっと角度を変えてみれば、今の努力が必要では無いかもしれません。「そもそも販路開拓なんているのか」という見直しが必要なのです。
●大幅な改善・向上には戦略が不可欠
売上や利益を2割上げるためなら、今やっていることを20%改善する、今の努力の延長、言ってみれば「もっと頑張る」で達成できます。しかし、売上・利益を3倍、10倍にするために、今の努力を3倍、10倍にできますか? 今1日10時間働けば出来るところを12時間働いて20%稼ぐことはできるでしょう。でも、1日30時間働いて3倍にすることは出来ないわけです。
直線的改善ではなく、飛躍的向上には、ですから、戦略的な発想が必要なんです。戦術的な努力、今の100を120にする発想では、売上・利益が2倍にはなっても、10倍、100倍にはなりません。今やっていることを全く別の観点から見直して、ビジネスを再構築していくためには、戦略が必要です。
●戦略の誤りは戦術ではカバーできない
私は、NTTでテレホンカードを売っていたことがあります。地べたをはいつくばる、とは言いませんが結構それに近いノリの営業をしていました・・・。今は携帯電話がありますから、テレカももう売れてないかもしれませんが、当時はよく売れていました。というか、ものすごく良く売れていました。
市のお祭りの日に会わせて、NTTの店頭でテレホンカードを売ったら、予想通り大変良く売れたので、来年もやろうということになりました。さて、次の年にやってみたところ、売上が昨年の1/3位しか行きませんでした。なぜか? テレホンカードの人気自体は落ちていません。というか、更に上がっていたような感じです。では、セールストークの問題でしょうか? POPの問題でしょうか?
実は、歩道橋が出来て人の流れが変わり、お祭りに行く人がNTTの前を通らなくなったのです。セールストークとかそう言う問題ではなくて、場所の選び方を間違っていたわけです。ターゲットを「NTTの前を通る人」と誤って選択したのです。ターゲットは「お祭りに行く人」だったわけですね。当時の人気商品、テレホンカードだって、人が来なければ売りようが無いんです。戦略を誤ると、戦術でカバーするのは難しくなります。
●ラクして儲かるのが戦略か?
一面の真理としては、それはあります。特に、短期的にはそう言えます。ただ、長期的には、その戦略をマネされますから、その前にさらに改善しておく必要があります。
その意味で、戦略を考えて実行する、ということは終わりのない競争という側面を持っています。決してラクではありません。連載を抱えている人気作家(常に締切に追われている)のようなものです……が、そうしなければ負けてしまい、市場からの退場宣告を受けるというさらに辛い状況が待っている、ということもあります。うまくいってしまった戦略が、環境の変化に応じきれず、負の遺産となってしまうようなことも数多くあります。
●みな戦略的に行動しているか?
戦略的に行動しましょう、というと、「とっくにやっているよ」とおっしゃるかもしれません。本当にそうかもしれませんね。でも、意外と戦略的に動いている人は少ないです。
こんな話を聞きました。私の友人の税理士が、お客様に、マーケティング戦略の提案をしたそうです。聞いてみて、もっともな戦略でした。しかし、お客様に提案してみたところ、「今販路開拓に忙しくてそんなことをやっている時間が無い」だそうです。つまり、100を120にすることに精一杯で、300、1000にしようというヒマは無い、ということですね。これって意外と多い話では無いでしょうか?
こうやって説明されると「当たり前じゃん」と思うと思いますが、ターゲット選定を誤っている例などはたくさんあります。例えば、TVコマーシャルを見ると、ほとんどのCMは戦略を誤っています。TVメディアの大きな役割は、
●認知度を上げる
●店頭に誘引する
●電話などの資料請求を誘引する
ですが、いたずらにCMを流している例は結構あります。例えば、「その会社はもう日本人なら誰でも知ってるよ」という会社なのに、認知向上型のCMをやっていたりします。
「ブランド広告」は確かに必要な投資で、短期的にはともかく、長期的には、広告投資の削減はボディブローのように効いてきます。しかし、目的のわからないTVCMが相当あります。作り手の自己満足でしか無いようなTVCMです。さらに、残念ながら、現在ではブランド広告の効果をきちんと測定する手法がまだ開発されてないからです。ブランド広告を10回以上見た人の購買率やDM反応率がどれくらい高いかはわからないのです。
日本の広告代理店の仕組み(請求方法)上、これはしょうがないのですが・・・。ちなみに、日本の広告代理店はどうやって儲けているかと言うと、TVなどの媒体費に、15%程度のコミッションをのせます(この率は、クライアントとの力関係や出稿量などによって変わります)。このコミッションで儲けているのです。ですから、CMを流さないと広告代理店が儲からないので、広告代理店はとにかくTVCMを流させようとします。この仕組みを作ったのは、誰もがご存じの超巨大広告代理店です・・・。彼らの破格な給料は、こうやって稼がれているわけです・・・。
これは、別に広告代理店だけが悪いのではなくて、広告主にも責任があります。1本のTVCMを作ったり管理したりする手間・人件費は、そのCMを沢山流そうが、少しだけ流そうが同じなのです。広告主が、その人件費やサービスに対してお金を払うようにすればいいのですが、そうする広告主は、一部の外資系の会社を除いてほとんどありません。みんなコミッションで払います。だから、代理店としては儲けるためには、TVを沢山流させる、という誘因が働くわけです。この仕組みは広告主にとっては長期的に見るとソンになると思います。
ちなみに米国・英国では、このようなコミッションではなくて、「フィー」と呼ばれる人件費ベースで請求されます。すなわち、TVCMをたくさん流すかどうかには関わらず、たくさん仕事をすればたくさんお金を払うよ、という仕組みです。一長一短ありますが、この「フィー」による請求の方がフェアだと思います。
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