マーケティングにも、当然目的がありますよね。その目的を達成するのが戦略ですから、マーケティングにも戦略が必要なんです。
経営もある意味戦いです。顧客の満足、価値を満たすのがマーケティングではありますが、その一方で、競合他社と顧客を巡って争うという冷徹な事実も存在します。自分が頑張っても、競合がそれ以上に頑張れば、お客様はそちらに行ってしまいます。顧客満足も、絶対評価ではなく、競合に対する相対評価なのです。
ですから、マーケティングでも「戦略」は重要です。
実は、私は学生時代から、ずっと戦略の仕事がしたかったんです。極端な話をすれば、防衛庁に行くか、ということだって考えました。しかし、マーケティングを選びました。もちろん、マーケティングは、顧客に価値を届ける職業です。しかし、その一方で、「競合に勝つ」という側面を強く持っています。現代で、諸葛孔明になれるのは、マーケティングだ、と思ってマーケティングの仕事をしています。
●戦略vs戦術:チラシの反応率を上げるテクニックがそんなに重要か??
今、ちまたにはマーケティングのテクニック本が氾濫しています。いわく、「売れるセールストーク」「電話が鳴るチラシの作り方」などなど・・・。しかし、あるダイレクトマーケティングの会社の調査(残念ながら日本の会社ではありません)によると、マーケティング施策の効果に与える影響は以下の様になります。
40−60% ターゲットとメディア
20−30% メッセージ
10% オファー
10% クリエイティブ:具体的な作り物の作り方
ちなみに、ある超急成長中の、外資系パソコンメーカーのアジア地域の幹部の方もほとんど同じ見解でした。
つまり、「誰に」「何を」「どの媒体で」言うかによって、成功の6割−9割が決まるのです。これは日本市場についてではありませんが、私の経験では、日本でも恐らく同じだと思います。
ですから、「売れるセールストーク」も大事でないとは言いませんが、その前に、ターゲット選定、「欲しい人」に売りに行く方が重要なのです。それはそうでしょう。欲しくない人に売るのと、「欲しいなあ」と思っている人に売るのでは、その難しさに天と地の差がありますから。「欲しい」と思っている人にメッセージが届けば、売り方が下手でも、というか、黙っていても買ってくれるわけです。
例えば、胃薬を売っているとしましょう。普通に胃薬を売るのは難しいかもしれません。しかし、忘年会シーズンの夜遅い盛り場で胃薬を売っていたとすれば、黙っていても売れます。
チラシの反応率を上げるテクニック、というのは、重要な場合があるにしても、全体の1割しか影響力が無いわけです。それより、チラシを欲しい人に届ける方が重要なのです。世の中に、戦術本や、「こう言えば売れる」という類の本が出回っています。確かに、正しいし、それはやらないよりはやったほうがいいです。しかし、優先順位を間違えてはいけません。
さらに、ターゲットによって、何を言うかは全く違ってくるんです。だから、まずはとにかく自分の強みを考え、それを評価するターゲットを選ぶことが、売り文句を考えるよりは先に来るんです。売り文句は重要です。しかし、まずは戦略です。ターゲットがあっていれば、チラシの反応率を上げるのは有効ですが、ターゲットが間違っていれば、的はずれなわけです。
このように、戦略的に、俯瞰的にマーケティングを考えることが重要なのです。
「今やっていることは、目的達成に近づけてくれるのか?」を問い続けるのが戦略的な考え方で、マーケティングでも同じです。チラシの反応率を上げるのもいいですが、その前に、ターゲットは本当にチラシを見ているのか? チラシが最適の媒体なのか、そもそもターゲットは誰か? という問いに答えないと、どんなに頑張っても空回りしてしまいます。頑張っても頑張っても効果の出ない、「ムダな努力」をすることになってしまうんですね。「こんなに頑張っているのになぜ売れないんだ!?」という方、多分このムダな努力をしている可能性があります。
●戦術を考える前に戦略を考えよう
行政書士さんから、相談を受けたことがあります。
「先日新聞に広告を出しました。今日のお題の「限定理論」は知っていましたから、自分で作った資料を先着5名に進呈、としました。問題はここからで、もし何人か資料請求があったとして、その先どうすれば彼らを顧客へと導いてゆけるのでしょうか?」
この方は、はやりのマーケティング手法を本で仕入れて、「限定XX様! おいそぎを!」という広告を打ったのですね。勉強されているのは大変良いことです。が、ノウハウ本の問題はここにあって、「あ、限定XX様とやれば売れるんだ」と思ってしまうんです・・・。もちろん効果があるときもあるのですが、時と場合によりけりです。
質問は、「もし何人か資料請求があったとして、その先どうすれば彼らを顧客へと導いてゆけるのでしょうか?」でしたが、私は本当の課題はここでは無いと思いました。まずその前に、戦略を考える必要があります。
▼そもそも誰に売りたいのか? 広告を出した媒体はそのターゲットに合っているのか?
▼資料請求の内容は、自分の強みに合っているのか?
▼自分が提供したいサービスは何か? ターゲットはそれを求めているのか?
という問題に答える必要があります。そもそも「新聞広告」が必要だったのか? ターゲットはそれを見ているのか? というのが戦略的な質問です。
戦術は、もちろん考えないよりは考えた方がいいです。ただ、そのテクニックに走る前に、戦略を考えましょう。
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