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経営戦略4:価値を提供するには、強みを活かせ
 
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●ここまでの流れ

ここまでは、

経営戦略は、大別して、低コスト戦略と差別化戦略になる

差別化戦略とは、お客様に、より良い価値を提供すること

より良い価値とは、生存欲求、社会欲求、自己欲求の3つをよりよく満たすもの

という流れで進んできた。

そして、このページは、価値を提供するには、自らの強みを活かす、ということを説明していく。

 

●価値を決めるのはお客様だが、その価値の源はあなた

価値、とは、お客様にとっての価値であって、あなたにとっての価値ではない、ということをさんざん前のページで書いた。

しかし、結局、その価値を提供するのはあなたの会社であり、究極的には社員一人一人、そして、あなた、だ。

あなたが経営者なら、会社がどんな価値を提供するかは、相当程度あなたの考え方、信念などに依存するはずだ。

あなたが営業担当なら、会社がどんな価値をお客様に提供できるか、その説明責任を負うのはあなただし、商品・サービスに加えて、あなた自信がどんなサービスを、どんな対応をできるかがお客様にとっての価値になる。

 

●あなたの強みを活かせ!

そして、価値を提供するにあたっては、あなたが一番得意とすることを活かす必要がある。弱みで差別化する、ということは普通ありえない。差別化は、強みを使って行うのだ。

差別化とは、よりよい価値をお客様に提供することだ。そのよりよい価値は、あなたがどんなことが得意か、で決まる。あなたが不得意なことで、「よりよい価値」は作り出せない。

あなたが一番強いところで勝負して、それで負けたのであればどうしようもない。その時点で、競合があなたの強みを上回っていた、ということだ。あなたの強みを磨いていくしかない。

 

●どんな強みをどんな差別化に使うか?

強みは差別化のために使うわけだから、その分類も差別化方法に従ったほうがいいだろう。前の差別化のページで行った分類方法に従って、強みを活かす方法を考えていくことにする。

1)商品・サービスそのもので差別化する場合

この場合には、商品・サービスの開発力・企画力・高品質な生産力などが強みになるだろう。

あなた、またはあなたの会社の社員が、企画・開発力や、高品質な生産力があるのであれば、商品・サービスそのもので差別化できるだろう。

優れた生産設備や、強力な独自仕入れ先、独占契約を結んでいる調達先などがあれば、それも商品力で差別化できることになる。

2)提供方法で差別化する

この場合には、組織力が強みになるだろう。全員が一体的につながり、効率よく、早く提供できるような特性を持っていれば、より早く、お客様により便利な提供方法を考え、実行することができるだろう。

チームワークに優れ、効率的に働ける社員が多い場合には、その強みを活かすに当たっては有効な差別化方法となる。

3)顧客対応力で差別化する

愛想がよく、お客様対応が好きな、人好きのする社員が多いのであれば、それを活用する手はある。同じモノを買うなら、信頼できる人、愛想の良い人から買いたいだろう。

また、商品知識や、お客様が求めるものの知識を豊富にもつ、マニアックな社員が多いのであれば、その知識自体がお客様にとって価値のあることかも知れない。イタリアンレストランであれば、愛想が良く、ワインの知識が豊富な店員は、店にとって強力な差別化となりえる。

 

●お客様を知り、己を知らば百戦して危うからず

結局のところ、経営戦略とは、

・差別化をしてお客様の価値をよりよく満たすために
・自分の強みを磨き、提供する

という単純なところに落ち着いてしまう。

そして「どんな価値を、どのような強みを使って提供するのか」という基本指針に従って、

ヒト:人材採用、育成、組織づくり

モノ:製品(どのようなものを作るのか)、生産(自社、他社委託)

カネ:資金調達(そのためにどれくらい資金がいるのか)、投資先

をどのように集めて、使っていくのか、が決まっていくわけである。

逆に、今、どんなヒト、モノ、カネという経営資源を持っていて、それをどのようにお客様の価値へと転換・展開できるかを考えることもできる。

・お客様にとっての価値

・自分の強み・経営資源

との相互作用・相乗効果、という形でぐるぐる回っていくのが経営戦略なのである。単純ではあるが、非常に奥が深いし、経営者にとっては終わり無き探索、追求なのだ。

 

くどいようだが、お客様と強みなどを整合させるアプローチが拙著で紹介している戦略BASiCSだ。ここまでの展開に同意された方には、オススメできる内容だと思う。

 


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