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■売れるマーケティングは他業界から学ぼう!(売れたま!)■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.015 2003/08/07
購読者:864名 (まぐまぐ:727名 メルマ!:117名 Macky!:20名)
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■■■■____今日のヒント:38円キャンディ____■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
売れる商品と売りたい商品の役割分担を戦略的に行い、売れる商品から
売りたい商品へと誘導しましょう!
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◆今日のヒント:38円キャンディ
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●先日、TVで、ドラッグストアが紹介されていました。通常価格
148円→38円!というPOPがついたキャンディが並べられると、店の前
に人が集まり、キャンディを手にとって店内に入っていきました。
●TVでは、その後店長さんが出てきて、取材に答えていました。
「何でこんな安売りをするんですか?」
「この商品では儲からなくていいんです。お客様が買うために店内に
入れば、そこで何か別のものを買っていただけるんです」
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◆MBA的に言うと?:売れる商品と売りたい商品
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●売れる商品と売りたい商品
売れる商品のことはLead Product、売りたい商品のことは、Backend
Productなどと言いますが、日本語にしたときに誤解が生じやすいの
で、素直に「売れる商品」と「売りたい商品」と私は呼びます。
売れる商品は、
▼低価格:お客様が買うことへの抵抗が少ない
▼低利益:儲からなくてもいい
▼ニーズが大きい:よりたくさんのお客様を引きつける
▼さらに興味を持ってもらうための導火線(Leadは「導くもの」と
言う意味です。Lead Productとはお客様を導く商品なのです)
売りたい商品は
▼高価格・高利益:儲ける商品
▼ニーズが狭くてもいい:特定の顧客を引きつける
▼興味を持った方が行きつく商品・サービス
売りやすくて儲かる商品というのは通常ありません。儲かる商品は売
りにくいので、儲からなくてもいいから売りやすい商品を作るのです
●マグネット商品
お客様を磁石のように引きつけ、店内に誘導したり、店内動線を長く
したりする商品をマグネット商品と言います。「売れる商品」ですね
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◆購買者心理:1回yesと言うと、次もyesと言いやすい
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●2度目の購買は1度目より抵抗が少ない
人間は、一度Yesと言うと、次もYesと言いやすいことが心理学的に確
かめられています。
購買でも、最初に買うときの抵抗が一番高いです。38円キャンディを
買おうと入店した時点で、最初の購買障壁が取り除かれています。で
すので、「じゃあついでにこれも買おう」となりやすいのです。
●営業トークでも同じ
営業しているときに、商品に関係無いことでもいいから、yesと言わせ
れば、「買っていただけませんか?」と言ったときにyesと言う確率
が高くなります。「今日は暑いですねえ」でもいいのです。
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◆ビジネス上の利点:水路(売る仕組み)が出来る
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●売る仕組みづくり
マーケティングで重要なのは仕組みです。売れる商品で集客し、売り
たい商品で儲ける、という仕組みを作るのです。水が水路を自然に流
れていくように、お客様を「売りたい商品」へと導くのです。
●前回の「高価格商品導入」との関連
前回、高価格商品を導入しましょうというレッスンをしました(バッ
クナンバーのURLは一番下です)。今回は、逆に、安めの売りやすい商
品を先に売りましょう、という話です。
高価格商品が売りたい商品、低価格商品が売れる商品です。まず、低
価格商品を訴求して、店内に引き入れ(お店とは限りません)、その
後でうまく高価格商品へ誘導する仕組みを作りましょう!
●サンプリングともからめる
さらに、もっと前のレッスン(7/21,7/24)で扱ったサンプリングは、
「あげる商品」です。
あげる商品(無料)
▼
売れる商品(低価格、幅広い層に訴求する戦略商品)
▼
売りたい商品(高価格・高利益)
と、売りやすい順にお客様を誘導していく仕組みを作るのです! 目
の前を大きな川が流れています。それが見込み顧客です。そこから、
あげる商品、売れる商品を縦横に組み合わせて、自分の方へと水を引
き、「売りたい商品」まで流していくのです。
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◆あなたのビジネスへの応用:「立ち読みできる雑誌」を置く
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●まず、売れる商品を売ってから、売りたい商品を売り込む
知らない会社・店から高額商品をいきなり買うようなことはあまりあ
りません。安い商品を一度購入していただき、コミュニケーションを
とり信頼関係を作ってからの方が売りやすいです。
また、狭い、特定顧客にしかアピールしないニッチ商品は売りにくい
です。まず、たくさんの方が欲しい商品を訴求して数多くの見込顧客
をひきつけ、そしてその沢山の方に特定のニッチ商品を売るのです。
ドラッグストアで言えば、いきなり数千円の商品を売るのではなく、
38円キャンディで店内に引き込み、そこでPOP等で他の高い商品を
売るのです。まず入店していただかなければ売れないのです。
一般的に言えば、
1)まず売れる商品を売って、売りたい商品を売る下地を作る
2)その後で売りたい商品を売る ということです
●売れる商品は、収支トントンでもいい
今まで入店されなかった方が入店すれば、売れる確率が0で無い限り
売上が上がります。ですから、「売れる商品」は、原価で売っても損
はしないことになります。損する場合は、小さく試してみましょう。
●コンビニの雑誌
私は、コンビニによく寄りますが、主目的は雑誌の購入・立ち読みで
す。雑誌が、私を店内に誘導する「売れる商品」。立ち読みされても
お金はかからないので、何かついでに買ってくれればいい訳です。
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◆今日のシャチョーさん(応用例)
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●寝具店の店長さん
前にも登場した、寝具店の店長さんがまた何か考えています。
店長:なあ、またあのレッスンから考えよう
店員:あ、売れたま!ですか? うちの場合、布団とかよりももっと
売りやすい商品を売れってことですよね。
店長:そうだな。店に入ってもらわないことには売れないからなあ。
店員:睡眠に関係して、安くて、みんなが欲しいものですよね・・・
ポプリなんかどうですか?
店長:あ、いいんじゃないか? それを店頭で訴求しよう! 原価ぎ
りぎりなら、300円くらいで売れるよな?
店員:それなら、布団を買う気が無くても買っていただけますね!
それで、それを買いに店内に入ったときに寝具に興味を持って
いただけるようなPOPや資料を用意すればいいんですよね!
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◆今日のもう一声
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●あなたの商品の価格は何を基準につけていますか? そこに「売り
やすさ」という軸を加えて、もう一度考え直して見ませんか?
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▼今日の日記▲
私は人様がおっしゃるには「大食らい」だそうです。身体が小さい割
に食べるからだと思いますが、先日ランチにピザ2枚+パスタ+デザ
ートを食べたらさすがに夕食が食べられませんでした・・・。いい年
なのだから程々にしないといけないですね・・・。
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Copyright 2003 Yoshinori Sato
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