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■ 売れたマーケティング、バカ売れの法則(売れたま!) ■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━対談編Vol.009 2004/03/25
購読者:6,404名 (まぐまぐ:6,177 メルマ!:178 Macky!:49)
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■■■■■■■___佐藤義典に聞く! 2___■■■■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
●ポータブルスキルを磨こう。今の会社だけで通用する知識を普遍化
して、他社でも通用するようにしよう。
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◆4月22日発売、売れたま!本 情報
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●タイトルがついに決まりました
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“マーケティング脳”を鍛える バカ売れトレーニング
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◆今日のゲスト:早稲田大学のYさん、Sさん 前編
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●OB訪問 前編
Sさんは早稲田でディベートをやっている、私の後輩に当たります。
Yさんはそのご友人です。これから就職活動をするに当たり、私に意
見を聞きたい、ということでしたので夕食をとりながらのOB訪問と
なりました。
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◆業種 X 職種 で専門化する
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佐藤:Yさん、Sさん、いらっしゃい。今日はどうぞ聞きたいことを
ご自由に聞いて下さいね。
Y :はい、よろしくお願いします。まず、佐藤さん、お仕事はコン
サルティングですよね? どんな仕事ですか?
佐藤:お客様に提案を行って、それでお金をいただく、ということ。
コンサルティングと言っても色々あって、私はマーケティング
が専門。業種はそんなにこだわらないかな。
Y :人事のコンサルなどはおやりにならないんですか?
佐藤:できないし、やらない。業種か職種のどちらかで専門化しない
とコンサルなんか出来ない。
Y :とおっしゃいますと?
佐藤:業種で専門化するとは、例えば小売りとか製造とか、そういう
ある特定業種のエキスパートになる。クライアントは、基本的
にはその業種の会社になる。普通は、製造、と言ってももっと
細かく、電機、製薬、などと専門化していくけどね。
Y :「職種」とおっしゃるのは?
佐藤:職種は、私の場合マーケティング。他には人事、製造、開発な
など、そういう意味。どんな分門の仕事か、ということ。その
場合、クライアントは、業種に縛られなくてもいい。
Y :なるほど、業種 X 職種 ですね。
佐藤:うん。このどちらか、あるいは両方で専門化していく。万人に
対してコンサルすることは無理。逆に、絞れば絞るほど、強み
が発揮される。その分潜在クライアントは減るけど、特化でき
た方が良い。私は、マスマーケティングの実地経験も結構ある
けど、今はデータベースマーケティングを専門にしているよ。
S :どの会社の説明会に行っても、「うちはこういうコンサルティ
ングをします」っておっしゃるんですが、コンサルティングっ
て何ですか??
佐藤:コンサルティングっていうと、何となく響きがいいから、どの
会社も「うちはコンサルティングをします」って言うよね。
S :私は人材派遣会社が志望なんですが、どの会社も「うちは人材
コンサルティング会社」って言います。
佐藤:どんなコンサルティング?
S :人材派遣をする際に色々なアドバイスをするそうです。
佐藤:そのアドバイスでお金をもらう?
S :いえ、もらいません。
佐藤:一つの基準は、アドバイスに対してお金をいただくか、だと思
う。それくらいに価値があれば、それはコンサルティングって
言っていいと思う。でなければ、それは、付加サービスだね。
S :じゃあコンサルの意味が無い、と?
佐藤:いや、すごいある。売り物がきちんとあって、それに付加して
効率的な使い方や用途提案が出来れば、それは大きな価値にな
る。それが出来る営業マンは強い。だからマーケティングは必
要なんだよね、営業マンには。そこで言ってるコンサルは、あ
る意味マーケティングをやっていることになる。自分の商品に
価値をつけている。その意味で、マーケティングは必須。
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◆会社に残るリスク、出るリスク
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Y :佐藤さん、NTTを辞めてペンシルバニア大ウォートン校に留
学するというリスクを取りましたよね?
佐藤:いや、リスクなんか取ってないよ。
Y :え? だって、安定した大企業を辞めるなんて。
佐藤:私は臆病なの。すっごい恐がり。だからNTTをやめたんだ。
Y :え?
佐藤:大企業に20年勤めても、上で言った、職種X業種で専門化した
スキルってあまり得られないんだよね。もちろん、会社や部署
にもよるけど、私は20年後にクビになったら自分一人では何も
出来ない、と思ってすっごく恐かった。だから、自分一人で生
きていくスキルと、会社ではなく自分の看板がいる、と思って
MBA留学を決めたんだ。
Y :でも、NTTならまずつぶれないですよね?
佐藤:会社は存続するだろうね。でも、私は不要になるかもしれない
Y :なるほど。むしろリスク管理をされたんですね。
佐藤:そう。日本の大企業にずっといる方が、リスクが高い。これは
皮肉じゃなく、大企業に居続ける方ってすごい。私は、大企業
をいきなり放り出されたときに生きていける自信が無かった。
他社、他業種でも通用する「売れるスキル」、私はこれをポー
タブルスキルって言ってるんだけど、大企業だとなかなか身に
つけにくい。もちろん、そうでない大企業もあると思うよ。
Y :じゃあ、NTTに行って、良くなかったんですか?
佐藤:とんでもない。色々な営業経験とか出来たし、大企業がどう動
くかわかったし。それは今のコンサルでも役に立ってる。
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◆「ポータブルスキル」という発想
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Y :では、大企業に入った場合は、どうすればいいんですか?
佐藤:その「ポータブルスキル」を磨く。
Y :具体的に言うと何ですか? 持ち運べるスキル、ですか?
佐藤:ご名答。その会社を出ても、持って行けるスキル。平たく言え
ば、どこでも通用する実力ってこと。スキルには2種類あって
ポータブルスキルと、ノンポータブルスキルがある。例えば、
NTTの社内システムをよく知っていても、それは他社では使
えないから、ノンポータブル。部下を管理する方法を知ってい
ればそれは他社でも使えて、ポータブル。英語力もポータブル
Y :営業スキルなんかはどうですか?
佐藤:NTTの商品知識はノンポータブル。異業種で使えない。でも
お客様にどのように言えばわかっていただけるか、など、他社
でも応用できるレベルまで普遍化すれば、ポータブルになる。
「普遍化」が大事なんだ。
Y :ポータブルスキルがあれば、クビになっても大丈夫ですよね。
佐藤:そう。でも皮肉なことに、ポータブルスキル、どこでも通用す
る力がある人はクビにならない。専門化されたポータブルスキ
ルが高ければ、独立だって出来る。それを教えればいいんだか
ら。ポータブルスキルが無い人はクビになりやすいし、そして
次の転職が難しい。
Y :脅かさないでくださいよ。マーケティングはどうですか?
佐藤:典型的なポータブルスキル。でも、ある会社だけで通用するマ
ーケティングじゃダメ。やっぱり普遍化する必要がある。
Y :そのためには?
佐藤:売れたま!を読むことかな(笑)。理論的バックグラウンドも
ある程度は身に付くようになってるから。あとは、マーケティ
ングの基本書を読むこと。
Y :お薦めは?
佐藤:ここにある。 http://www.mpara.com/book.htm
あとは、来月出る売れたま!本(笑)
S :ポータブルスキルは、どうすれば身に付くんですか?
佐藤:意識するしかない。今自分が学んでいるスキルは、この会社を
出たら使えるのか、使えないのか。半年に1回くらいは棚卸し
したほうがいい。
S :どんなスキルを身につければいいんですか?
佐藤:それも、 職種 X 業種 で考えればいいよ。私は、マーケ
ティングという職種で特化し、業種は広くやってきた。逆に言
えば得意業種が無い。だから、他業種の成功事例を知ってる。
その強みを活かして、売れたま!を出してるんだよね。
S :あと、自己啓発ですよね。
佐藤:そう。会社がポータブルスキルを教えてくれるとしたら、それ
はいい会社だ。普通はなかなか教えてくれない。だから、自分
で身につけるしかない。今私の売りの一つに、顧客分析のスキ
ルがあるんだけど、誰も教えてくれなかった。自分で学んだ。
だからこそ、差別化が出来る。他の人には出来ないから。分析
方法も、かなりの部分は自分オリジナル。
S :そうかあ、会社は教えてくれないんですねえ・・・
佐藤:それも会社によるけどね。会社を選ぶときは、よく考えた方が
いいよ。
S :どんな会社がいいんですか?
佐藤:その会社を出た人が大活躍している会社。例えば、NTTドコ
モのi-modeの立役者、松永さんはリクルートご出身。リクルー
ト出身者は今あちこちで活躍されてる。マーケティングで言え
ばP&Gとかだね。
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◆外資系と日本の会社
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Y :外資系と内資系って違いますか?
佐藤:内資ってあんまり言わないけどね(笑) やっぱり違うね。私
は日本の大企業、外資の割と大きい会社、そして外資の20人規
模の会社にいたし、コンサル先で色々見てきたけど、違う。
S :外資系って実力主義ですか?
佐藤:そういうイメージもあるけど、会社による。一つ言えるのは、
外資系の方が、社内政治が激しい。なぜかと言うと、組織上の
権限がはっきりしてるから。上司の一存で自分のクビが飛ぶ。
その上司に向かって反抗することなんか出来ない。逆に、トッ
プに気に入られるとものすごい勢いで出世することもある。
S :逆に言うと、日本の会社ではそういうことはあまり無い、って
ことですか?
佐藤:日本の会社、特に規模の大きい会社だと、上司にたてついたか
ら即クビってことはあまり無い。組合があると、管理職より組
合員の方が強かったりする。その意味で、外資系が純粋に実力
主義っていうのは幻想。上司が自分の生殺与奪権を完全に握っ
ているので、外資系の方が露骨なゴマスリが発生したりする。
S :じゃあ、実力主義じゃないってことですか
佐藤:いや、日本の会社よりは透明。変な年功序列や性差別は少ない
場合が多いし。日本の会社だと、女性管理職はまだ珍しかった
りするけど、外資系だと多いよ。でも、外資系では実力さえあ
れば勝ち抜ける、というのは幻想。やっぱりEQは大事。
S :外資はすぐクビを切るって本当ですか?
佐藤:それも会社による。証券会社なんかだとその傾向が強い。前に
こんなことがあった。某新聞に、外資系証券会社のある部が人
員を半分解雇、という報道が出た。
S :うわあ。
佐藤:たまたまその部にいた友人がいたので、連絡してみた。「大変
だなあ、大丈夫か?」って。
S :そしたら?
佐藤:そしたら、「いや、それ誤報だよ。半分じゃなくて1/10になっ
たよ」だって。笑えない話だ。まあこれは極端な例だけどさ。
前にいた外資系メーカーは、日本企業に近かったよ。
Y :私が志望している、広告代理店なんかでもリストラあります?
佐藤:そうだね。大きいクライアントを失ったら、すぐ大リストラが
始まることもある。それは、ある意味健全でもある。発想とし
て、全部つぶれるよりは、一部だけでも残そうということだ。
Y :厳しいですね・・・。
佐藤:外資系だと、そういう厳しい環境にいる分、どうしても自分が
他社ですぐ使えるか、ということを気にする。だから、自分の
実力を高めようという思いが強くなるよ。つまり、ポータブル
スキルを身につけざるを得ない環境にいるんだ。
Y :なるほど、外資の方がポータブルスキルが身に付く、と?
佐藤:っていうか、身につけざるを得ない(笑)。でも、これからは
外資であろうが日本企業であろうが、ポータブルスキルは必要
になってくると思うよ。意識すれば身につけることは出来る。
売れたま!読者さんなんかはそういう意識があるから、売れた
ま!をお読みなんだと思うな。
Y :なるほど、今までそういう発想は無かったので勉強になります
佐藤:じゃあ次回に続きますね。次回も読み応えありますよ
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▼今日の日記▲
最近のマイブーム(死語?)が足裏健康法。リフレクソロジーなん
ていう言葉もある通り、欧米でも認知されているようです。と言って
も足をもむだけなので、副作用も無さそうで安心。まだ効果は実感で
きませんが、足の裏でも痛いところとそうでないところがあるのは、
不思議です。
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