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　■売れるマーケティングは他業界から学ぼう！（売れたま！）■　
　〜ＭＢＡの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.002 2003/06/23

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　■■■　　　　今日のヒント：プロ野球チップス　　　　　■■■
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◆ご挨拶
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●第二号です。月曜日と木曜日の週２回配信をしていこうと思いま
す。末永くおつきあいください。

●このメルマガをぜひ部下・同僚・上司の方やご友人にご紹介くださ
い。誰かと話してみると、アイディアが深まったりより実現性が高ま
ったりしますから。では本日のヒント、ご活用ください！

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http://www.Lpara.com/mailmag.htm

●現在の購読者数：509名　500名突破ありがとうございます！
　＜目指せ！　１万名＞
　まぐまぐ：486名　　　メルマ！：9名　　　Macky!：14名

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◆ご質問紹介コーナー
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●創刊号発行後、すぐご質問をいただきました。ありがとうございま
す！

「マクドナルドが優れていることに全く反論はありませんが、あのハ
ンバーガーとチーズ・バーガーの半額から値上げして、再度の値下げ
にはビックリしました。あの程度のマーケティングが出来なかったの
は何故なんでしょうね。」

もう１名様からも、
「バリューセットの狙いが、ハイマージンのポテトやドリンクを売る
ことにあるなら、ビッグマックとチーズバーガーをテイクアウトし
て、自販機でウーロン茶を買うのが一番賢い。現に、女子高生の多く
は、そういう買い方をすると聞いたことがあります。バリューセット
一つと、ハンバーガー単品を買って、ポテトとドリンクをシェアする
カップルもいるようです。＜中略＞この不況下、消費者も斯様に賢く
なっているので、それにどう対応すべきかという示唆も、今後期待し
ています。」

●両方とも鋭いご質問ですね・・・。確かに、最近のマクドナルドの
価格政策は色々な事情があるにせよ、迷走しているように思えます。

●このご質問に対する私の答えは・・・最後の方で！　これからもご
質問・ご意見お待ちしています！

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◆今日の売上を上げるヒント：プロ野球チップス
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●カルビーがプロ野球チップスというポテトチップを出しています。
60円で、24gです。通常のポテトチップスが、75gで120円ですから、
１グラム当たりの価格でみるとかなり損ですね。
　▼プロ野球チップス　　\2.5/g (\60/24g)
　▼普通のポテトチップ　\1.6/g (\120/75g)

●しかし、１袋に１枚、プロ野球選手のカードがついてくるのです。
どの選手のカードかは、買ってみないとわかりません。

●私の職場の同僚が（しかも二人）毎日いくつもいくつも買ってきま
す。そんなに食べられるのか、と思われるかもしれませんが、ポテト
チップはみんなにあげてしまうんです。欲しいのはカードなんですよ
ね・・・。お目当ては彼の好きなチームの選手や、元巨人の松井選手
です。

●ご参考までに、プロ野球チップスの公式サイトはこちらです
http://www.calbee.co.jp/proyakyu/index.html

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◆ＭＢＡ的に言うと？：組み合わせによる高価値化 (Adding Value)
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●組み合わせによって価値をつくる、というのは高価値化の基本の一
つです。今回はポテトチップとプロ野球という一見関係の無さそうな
ものを組み合わせて、ポテトチップに（無理矢理）価値をつけてい
る、ということですね。

●ただ、ポテトチップという商品を選んだのは、さすがと思います。
もしこれがチョコレートだったら・・・。そんなに沢山食べられない
ですよね？　ポテトチップだとあればあるだけ食べてしまいます。ま
た、ポテトチップを嫌いな人ってそういないでしょうから、私の同僚
の様に、周りに配って喜んでもらうということも出来ますから（私も
もらうとすごく嬉しいです）。

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◆消費者心理：価値があればお金を払う
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●内容量的には、大人には少ないです。その同僚にもらって食べるの
ですが、すぐ無くなってしまって、とても60円を払いたくなるような
量ではありません。

●しかし、そういうものでは無いんですよね。野球選手のカードが欲
しければ、60円くらいなら喜んで払う、と。カードが入っている袋を
開けたときの彼の嬉々とした表情、時折聞こえてくる「やった、松井
だ！」という雄叫び・・・。自分が価値を感じるものであれば、多少
の価格には目をつぶるものです。

●私と同じ世代の方は「仮面ライダースナック」（だったと思いま
す）を思い出しませんか？　社会現象にもなりました・・・。それの
大人版ですね。つまり、大人でも子供でも、価値を感じることという
のはそんなに変わらない、ということですね。

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◆ビジネス上の利点：他人から価値を借りてくればよい
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●自ら高付加価値商品を開発するのは大変です。開発部隊がいなけれ
ばそもそも開発できませんし、開発部隊を抱えると固定費もかかりま
す。

●しかし、このモデルだと、価値はどこから持ってきてもいいので
す。他人様がつくったものを組み合わせればいいだけです。うまくい
かなければ、すぐやめてまた別のものを組み合わせてみればいいので
す。プロ野球チップスも、プロ野球選手の価値は、もちろんカルビー
が作ったわけではありませんよね。

●ただ、ちょっと奇をてらった方法であることも事実です。気をつけ
ませんと、本業の製品力をおろそかにしてしまいます・・・。それで
は本末転倒です。

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◆あなたのビジネスへの応用：
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●この方法の実践例として、アメリカの野球チケット、というのがあ
ります。ある人がメジャーリーグの不人気チームの経営を任されまし
た。不人気チームのチケットをどうやって売ったか、というと、例え
ば、ホットドッグ付きのチケット等にしたわけです。ホットドッグの
費用なんてしれてますから、１＄のホットドッグをつけても、１０＄
のチケットが売れ残るよりはまし、という理屈です。

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◆今日のシャチョーさん（応用例）
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●このメールを読んだ寝具屋さんの社長が店員に話しかけています。

　「おう、今日の例のメルマガ、読んだか？」
　「ええ、でもなんかウチには関係無いんじゃないですか？　ウチ寝
　　具屋ですよ？　何かオマケにつけられるものなんかあります？」
　「そんなこと無いだろ。っていうか、みんながやってないことをす
　　るから意味があるんだろうが」
　「それはそうなんですが・・・」
　「例えばこの5000円の安眠枕、なんか安眠関連のグッズでもセット
　　にできないかなあ？」
　「そういえば、社長、このあいだ100円ショップで安眠音楽ＣＤを
　　売ってましたよ！」
　「ほら、あるじゃないか！」
　「１枚だったら、100枚買っても１万円ですね！　先着100名様に安
　　眠音楽ＣＤをセットってやれば、売れるかもしれませんね！　早
　　速買ってきます！」

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◆ご質問への私なりの回答
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●巻頭の二つのご質問に対する私の答えは、マクドナルドは売るもの
を間違えたということです。マクドナルドが売っていたのはオトク
「感」であって、「オトク」では無いというのが私の意見です。

●「マックに来る理由は、安いから」では、ご質問にあった女子高生
のように、割引しているバーガー類だけテイクアウトして、自販機で
ウーロン茶、となってしまいます。

●マクドナルドは、実は「会話の場」「一休みの場」を売っていたの
では無いでしょうか？「59円のハンバーガー」を売り物にすると、コ
ンビニのサンドイッチとの競争になってしまいますよね。そうではな
くて、座る席があって、ドリンクとポテトがセットになったオトク
「感」を売らないといけなかったと思います。夏なら、「ヒンヤリし
た店内でお食事を」をメインに売り、その次に、「しかもリーズナブ
ルなお値段で」ということですね。

●今回のプロ野球チップスは、ではどうやってオトク「感」を売るの
か、という一つのヒントになっています。何か他に価値があるものを
組み合わせて、価値を作り出す、ということですね。今回、この高価
値化のトピックを選んだのは、これらのご質問をいただいたからで
す。マクドナルドは子供向けのオマケ付きセットはよくやっています
が、同じ事を大人向けにやっても良いかもしれません。マクドナルド
は低価格競争というパンドラの箱を開けてしまいましたので、これか
ら先、ちょっと大変でしょうね・・・。

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◆最後に
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●創刊号は「表現がくどい」というご指摘もいただいたので、ちょっ
とシンプルにしてみました。文字数も、yahoo メール等でも見られる
ように35字改行としました。

●実行するコツは、実験です。あまり深刻に考えずにやってみて、う
まくいけば大きくきちんとやればいいし、ダメならまた次号のヒント
を試してみましょう！

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▼今日の日記▲
最近体調を崩していましたが、ようやく復調してきました。微熱が続
いたのですが、単なる風邪ならばいいのですが、ひょっとしてそれ以
外の病気だったら、と思うと不安になりました。心理学的には、人間
にとって「わからない」という状態は非常に苦痛らしいんですよね。
それを身を持って体験してしまいました。
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