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■売れるマーケティングは他業界から学ぼう!(売れたま!)■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.005 2003/07/03
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■■■■ 今日のヒント:いつかは、クラウン ■■■■
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◆ご挨拶
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●このメルマガをぜひ部下・同僚・上司の方やご友人にご紹介くださ
い! 誰かと話してみると、アイディアが深まったりより実現性が高
まったりしますよ。無料の社員教育にもなります! では本日のヒン
ト、ご活用ください!
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◆今日の問題
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●ルイ・ヴィトンはなぜ売れるのでしょうか?
いまや若い女性のほとんどが持っていると言われるルイ・ヴィトン。
何でこんなに売れるのでしょうか? ブランド力? 確かにそうなん
ですが、どういうことでしょうか?
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◆今日の売上を上げるヒント:いつかは、クラウン
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●1980年代後半のトヨタクラウンのキャッチコピーは、「いつかはク
ラウン」でした。印象に残るCMでしたから、30代以上の方は、覚
えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
●「私もいつか偉くなったらクラウンの様な高級車に載るんだ」と思
ってください、というCMですね。その当時は、カローラ→マーク2
→クラウンという階層が成立していました。
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◆MBA的に言うと?:感情的ベネフィット
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●前号では、機能的ベネフィットを紹介しました。車の機能的ベネフ
ィットは、「人・モノを運搬できる」ということです。前号での食事
の例ですが、食事の機能的なベネフィットは「栄養」、感情的ベネフ
ィットは、家族との食事であれば「団らん」、彼女との食事であれば
「ロマンチックなの時間」となりますね。洗剤の機能的ベネフィット
は、「白さ」、つまり、「洗浄力」ですね。
●感情的ベネフィット(Emotional
Benefit)
モノ・サービスを購入する理由は、機能的ベネフィットだけではあり
ません。クラウンを買う方は、車だけでは無く、ステータス、名誉を
買っているのです。感情も同時に買っているわけです。
●機能的ベネフィットとの違い
機能的ベネフィットは、大抵の場合は計測が出来ます。スピード、機
能等です。洗剤の機能的ベネフィットは洗浄効果ですが、これも何ら
かの形で直接測定できますよね。感情的ベネフィットは、直接的に計
測できません。喜び、名誉、等ですから(アンケートなどで無理矢理
数値化出来なくも無いですが・・・)。
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◆消費者心理:人間は社会的動物
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●褒められると人は嬉しい
「クラウンに乗っている私は偉い人」と思って欲しいわけです。自分
を褒められてイヤな人はいませんよね?
例え他人が口に出して褒めてくれなくても、「クラウンに乗っている
俺のことを偉いと思っているはずだ」と自分で思っていれば、同じこ
とですね。
●冒頭の質問:ルイ・ヴィトンはなぜ売れるのか?
ヴィトンが売れる理由は色々あるにせよ、究極的には、「ヴィトンを
持ってる私はイケテル。そんな私が好き」ということだと思います。
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◆ビジネス上の利点:安売りしなくて済みます
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●価格競争が避けられる
機能的ベネフィットで競争すると、価格競争に陥ります。早い、安い
の世界での競争となるわけです。牛丼屋、パソコンなどが良い例で、
薄利多売を強いられます。
感情的ベネフィットは、「この商品で無ければダメ」ということでも
ありますから、価格に対して寛容になりやすいです。人間は、自分を
良く見せるためであればお金に糸目をつけない、ということに思い当
たるフシはありませんか??
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◆あなたのビジネスへの応用:感情的ベネフィットの例
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●感情的ベネフィットの例
良い感情の種類の分だけ感情的ベネフィットはあります。
●名誉・権威:これを持っている私は偉い
ヴィトンは高品質。だから、ヴィトンを使っている私も高品質。
ベンツやクラウンは高級車のシンボル。だからそれに載っている
私も高級な人間。
●優越感
英語雑誌とか英字新聞を小脇に抱えて歩いていると、ちょっと誇
らしげに感じるときがあります。「私は英語が出来る」というの
を暗黙のうちに主張しているわけです。
●特別扱い
自分だけ特別扱いしてもらえれば嬉しいですよね。飛行機のファ
ーストクラスに乗ると名前を呼んでもらえるらしいですが、この
応用ですね。エコノミーでは呼んでもらえないですから・・・。
●楽しさ
BMWのキャッチコピーは、「駆けぬける喜び」です。運転する
喜び、楽しさですね。ただ、それもさらに言えば、「運転する喜
びを味わえる様な技術を持ち、そんなBMWに乗っている自分を
他人はきっと羨望のまなざしで見ているるはずだ。そんなカッコ
イイ私が好きだ。」ということですね。
●上品さ
ネクタイの販売員さんの話なのですが、ネクタイを売る殺し文句
は「こちらのネクタイが上品ですよ」だそうです。これも、「上
品なネクタイを買う上品な私が好き」と思わせるテクニックです
よね。
キリが無いですね・・・。自社の商品で考えてみて下さい。そして、
それをお客様に訴求すれば良いのです。
●どんな商品にも使えますが、やりすぎには注意してください
機能的ベネフィットと同じく、これもどんな商品・サービスでも使え
ます。何か理由を付けて、「この商品を買ったあなたは偉い!」と言
えばいいのですから。洗剤でも、何か理由を付けて「この洗剤を使っ
ているあなたは子供思い!」などと言えばいいのです。ただ、やりす
ぎるとあざとく見えます・・・。
●品質の裏付けが必要です
ヴィトンは高価格ですが、品質もしっかりしています。クラウンもそ
うですね。低品質の商品に無理矢理価値をつけても、お客様に見抜か
れ手痛いしっぺ返しを受けることになります。口先だけで誤魔化せる
ほど、今の消費者は甘くはありませんので、商品の品質を上げること
も当然重要ですよ。一世を風靡したナイロンバッグブランドは、本革
のヴィトンと違いナイロンだったためか、あっという間にすたれて行
きました・・・。
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◆今日のシャチョーさん(応用例)
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●ディスカウントショップ
ディスカウントショップの店長さんが、店員さんと話しています。
「なあ、あのメルマガ、今日のヤツ読んだ?」
「ええ、読みましたけど、これはホントにウチには使えないですよ
ね。ウチは安さが売り物なんですから」
「やっぱりそうかなあ」
その横を、買い物している方たちが通り過ぎていきました。
「こういう安い所で買い物する私たちって、生活上手ってことね」
「そうよね、どうせ同じモノなら安い所で買う方が賢いわよね」
「店長!」
「そうか! ウチで買う人は賢いってことか!」
「店長、うちのショッピングバッグとか広告は、今「安い安い」
としか書いててませんが、「賢いアナタはここで買う!」とかっ
て入れましょう!」
「そうだな。店内放送でもそういったことを流してみよう。そうす
れば、他店で買う=賢く無いってことだから、ウチに来ていただ
ける回数が増えるかもしれないぞ。」
「はい! 感情的ベネフィットってウチでもあるんですねえ。」
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◆最後に
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●今日のレッスンは、前号からの続きです。全ての配信サービスでバ
ックナンバーを公開していますので、前号をお読みで無い方はぜひお
読みください。
●前号と今号は、ベネフィットと言う非常に基本的な話ですが、マー
ケティングで最も重要なテーマの一つです。ご存じかもしれません
が、しかし、自社の商品でこれらのベネフィットをきちんと訴求でき
ているかどうか、チェックしてみてください。お客様や、第三者にチ
ェックしていただくとさらにいいですね。
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▼今日の日記▲
20代の社員と話していたところ、「いつかはクラウン」というコピ
ーを知らないんですよね・・・。それで、それ以降の名キャッチコピ
ーをあらためて考えたのですが、それ以上のコピーを思いつきません
でした。もし、あなたの印象に残っているものがあれば、ぜひ教えて
下さい。
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