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           ■売れるマーケティングは他業界から学ぼう!(売れたま!)■ 
          〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.017 2003/08/14
          購読者:893名 (まぐまぐ:754名 メルマ!:117名 Macky!:22名)
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           ■■■■____今日のヒント:トロサーモン_____■■■■
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        ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
        商品・サービスの名前を、さらにわかりやすく、おいしそうにしてみ
          ましょう!
        ◆◆◆◆◆◆◆◆成功事例・元気が出る話募集中◆◆◆◆◆◆◆◆◆
        ●「こんなことをやったら、売上が上がった」という事例
          ●元気づけられるようなちょっといい話
        を募集中です! para@Lpara.com までメールください。ご紹介して、
          皆様の成功・元気の素としたいのです。感想もお待ちしてます!
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          ◆今日のヒント:トロサーモン
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          ●ちょっと古いのですが、昨年の新聞記事を引用します。読売新聞の
          2002/4/1 朝刊11面です。
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          港北東急百貨店(横浜都筑区)地価1階の鮮魚売り場には、トロサー
          モン、トロカレイ、トロカツオなど、トロと名が付く魚が常時、十種
          類以上並んでいる。どれも、脂の乗った魚という程度の意味で、トロ
          と名づけられているだけだ。脂の乗った腹の部分をいうマグロと違っ
          て、特定の部位を指すわけでもない。」
        「『旬です』といってもなかなか売れなかったが、脂が乗っておいし
          いということをアピールするためにトロと付けたら、売上が急増し
          た」(売り場を担当する「大和水産」=本社・東京都豊島区の西ノ宮信
          一取締役)という。
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        ●「旬のサケ」と「トロサーモン」、どっちがおいしそうですか? 
          もう説明は不要でしょう。
        
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          ◆MBA的に言うと?:数秒以内の意志決定のためのネーミング
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          ●ある調査によれば、低額商品での、購買意志決定は数秒以内だそう
          です。実際に観察してみればわかりますが、コンビニの棚の前で、手
          にとって、かごに入れる、又は棚に戻す時間は、やはり数秒です。
        ●瞬間的に、「おいしそう」と思わせる言葉が「トロ」です。その2
          文字から、「脂がのった」「ご飯に合う」などの意味が連想され、思
          わず手にとってしまう、ということです。
        
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          ◆購買者心理:作り手とのギャップは大きい
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          ●人間は考えるのがキライです。難しい説明がごちゃごちゃあっても
          そんなものは読もうとしませんし、理解しようともしません。
        ●作り手は、商品に対する思い入れがあるため、長く、難しい説明を
          展開しがち。しかし、そうすればするほど、「ええ、めんどくさい」
          と思われてしまいます。それが、購買の障壁となります。
        ●わかりやすい、ピンと来るネーミングであれば、考える必要が無い
          ので、購買障壁が減ります。
        ●なぜか電機業界に多い数字のネーミング
        NECの往年の名機、80-90年代を制したPC。その名は、PC-9801
          UV2(私、使ってました)など、無機質なものでした。高性能ですが
          9801という覚えにくい数字、その後に続く意味不明な英数字・・・。
          ニューモデルが出るたびに、どれが新製品かわからなくなりました。
          しかもPC-8801という下位機種もあり、もう、何が何だか・・・。
        日本が誇る家電業界、品質は世界最高でも、英数字の名前がわかりに
          くく、非常に損をしていると思います。ビデオ→DVDに変換できる
          DVDレコーダーがありますが、それも「コピれるの」なんて名前に
          すればいいのに・・・。
        最近の携帯電話で、3桁の数字の機種名を連呼するものがあります。
          数字を言われても、携帯で何が出来るのか、何が新しいのか、さっぱ
          りわかりません・・。「だから何?」って感じです。
        デジカメもそうですね。機種名に数字が入ると途端に名前が覚えにく
          くなります。
        購買者に、その名前(意味不明な英数字の羅列)をメモして店に行け
          と行っているようなものです。そんな面倒なこと、誰でもイヤです。
        
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          ◆ビジネス上の利点:ネーミングは無料!
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          ●告知する手間は同じなのだから、わかりやすい名前に
        ネーミングを作るのは、タダですよね。どんな名前であろうと、商品
          カタログやメニューなどに載せる手間は一緒なのですから、売れるネ
          ーミングにしましょう。
        ●「熱さまシート」(小林製薬)はシェアトップ
        小林製薬はネーミングの作り方が非常にうまいです。熱さまシート、
          のどぬ〜る、など覚えやすいです。風邪を引いたとき、喉の薬として
          真っ先にのどぬ〜るを思い出します。
        ●90億円の売上:「甘栗むいちゃいました」(カネボウフーズ)
        これもわかりやすいネーミングです。お菓子では、90億円の売上とい
          うとお化け商品です。もちろんネーミングだけでは無いでしょうが、
          指名買いする際には、覚えやすいほうが口から出てきますよね。
        ●商標登録による競合との差別化
        パソコン時代の覇者、インテル。昔、インテルは、年を追うごとに
           ▼286
           ▼386
           ▼486  
           という名前のMPU(パソコンのCPU部品)を出していました。
          しかし、ライバルのAMD社も386,486という似たような名前
          の製品で追いかけます。ユーザーも、「名前が同じなら性能も同じ」
          と思い、安いAMD社の方を買います。
        次モデルを586と名付けるとAMDも586という名前で対抗する
          のは明らか。そこでインテルは、586では無く、「ペンティアム」
          と名付けて商標登録したのです。これで、AMDは、インテルと同じ
          名前のMPUを出すことが出来なくなりました。もちろん、ネーミン
          グだけでなく、性能を争う激烈な競争があるわけですが・・・。
        
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          ◆あなたのビジネスへの応用:商品特徴を一言で表せるか?
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          ●ネーミングの名人、小林製薬の手法
        これも新聞記事を紹介します(日経夕刊 2003/07/16 P.18)
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          社内にネーミングの担当者がいるわけではない。新製品の開発担当者
          が名前も同時に考えることになっている。毎月末開かれる開発会議で
          は、社長以下の役員、幹部が勢ぞろいする前で、開発担当者が考えた
          何通りものネーミング案を説明。激しい議論が繰り返されるのが通例
          だ。
        「担当者は普通、一つの製品に百通り以上の名前を用意し、それを十
          通りぐらいに絞り込んで開発会議に提案する。会議が近づくと頭の中
          は名前のことでいっぱいになる」と麻生川部長。社内のあちこちで、
          開発チームがネーミング会議を開く光景が見られる。「それほど名前
          へのこだわりは強い」という。
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          ここまで、ネーミングを真剣に考えている会社は少ないのでは無いで
          しょうか??
        ●ネーミングのポイントと例
         ▼商品特性:のどぬ〜る(小林製薬)
           ▼こだわり感:じっくりコトコト煮込んだスープ(ポッカ)
           ▼ベネフィット:通勤快足(レナウン、抗菌靴下)
           ▼ユーモア:写ルンです(富士フィルム)
           ▼簡便性:ブルーレットおくだけ(小林製薬)
        などの切り口で考えてみてください。
        ●ネーミングvsブランド
        ここで紹介したようなネーミングは、いわゆる「ブランド」にはなり
          ません。ブランドになるのは、単体では意味の無い言葉が多いです。
          SONYはその典型です。ブランドを作り出せば財産になります。が、時
          間とお金がかかりますので、ある意味強者の戦略とも言えます。ブラ
          ンドの育成は長期的に行い、短期間の売上はネーミングの工夫で行う
          等ということも出来ます。
        
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          ◆今日のシャチョーさん(応用例)
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          ●住宅リフォーム会社の社長さん
        住宅のリフォームを専門に行う会社の社長さんが、営業部長と話して
          います。
        社長:うちの商品って、確かにあまり名前考えてないよなあ
          営業:最近のリフォーム需要って、建て替えはお金がかかるからリフ
             ォームで済ませるっていうのが多いですよね。
          社長:そうか、そこをわかりやすくついてあげればいいのか。
          営業:ええ、内装と外装の両方を変えて、建て替えのような気分を味
             わいつつもリフォームだから建て替えより安い、っていうのが
             ポイントですよね
          社長:じゃあ、「建て替えいらず」なんて言う名前にして、今お前が
             言ったことをチラシで説明してあげればいいかな。
          営業:そのまんまじゃないですか。英語にしてノーリビルドとかでは
             どうですか?
          社長:それじゃわかりづらいから意味無いだろ
          営業:じゃあ、せめて「タテカエーズ」くらいにしませんか?
          社長:わかった、それでいいからやってみろ。
        
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          ◆今日のもう一声
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          ●あなたの商品特徴を一言で言い表せますか? ネーミングもそうで
          すが、商品のねらいははっきりしていますか? 
        ◆◆◆◆◆◆◆◆◆メルマガ相互紹介コーナー◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
        2回目の紹介ですが、前回ご覧になっていない方のための再紹介です。
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          長として尊敬を集め、影響力を放ち、経済的な安定を入手する方法に
          ついて、先人の知恵や経営哲学、理念、手法、体験、実例をもとに解
          き明かします。
        (小さな会社の大きな社長/談) ← まぐまぐの読者の本棚に掲載! 
          毎回「あっ!」と目から鱗が落ちることや、「やっぱり」と再確認さ
          せられることがテンコ盛りです。マーケティングの本を書いていらっ
          しゃるだけあって読み易い文章ですし、一回一回が読み切り連載のよ
          うで分かり易く、学ぶことが多いです。読み応えがあるので、発行さ
          れるたびにプリントアウトして社員へ配っています。新商品開発、販
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          ▼今日の日記▲
          今はお盆休みのまっただ中でしょうか。電車も空いていて気持ちいい
          ですね。ゆっくりお休みを取られて、充電してまた頑張りましょう!
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          Copyright 2003 Yoshinori Sato
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          ◆次号予告:冷や奴
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          ●居酒屋で冷や奴を食べると、量にもよりますが200-300円くらいで
          すね。でも、その原価を考えてみると?? 
        〓〓次号の売れたま!でお会いできるのを楽しみにしています!〓〓
        
        
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