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■売れるマーケティングは他業界から学ぼう!(売れたま!)■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.040 2003/11/03
購読者:3,240名 (まぐまぐ:3,054 メルマ!:156 Macky!:30)
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■■■■_____今日のヒント:省エネ冷蔵庫____■■■■
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お客様が商品を買うときの、頭の中の「買う基準」を変える提案をし
ましょう。
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◆今日のヒント:省エネ冷蔵庫
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●省エネ冷蔵庫
冷蔵庫の世帯保有率は、ほぼ100%に近いと思われますが、その様な成
熟市場で、省エネ冷蔵庫が売れているようです。
日経新聞 2003/06/30 朝刊 ページ:017 から引用すると、
「家電製品ではデザインや機能性に加え、“節約志向”がキーワード
になりそうだ。エアコンや冷蔵庫では、「使用電力が従来の商品の半
分」などとうたう省エネタイプが圧倒的な人気。」だそうです。
省エネ冷蔵庫の「売り」は、「10年前の冷蔵庫と比べて、年間5千円
〜2万円の電気代削減効果」です。冷蔵庫そのものは10-15万円です
ので、10年以上使うとモトが取れる、という訳ですね。
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◆MBA的に言うと?:購買意思決定基準の提案
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●買うときの意思決定基準(Purchasing Criteria)
お客様が何かを買う、ということは、
▼あなたの商品・サービスの価値 > お客様が支払う費用・手間
ということです。お客様は、意識的か無意識的か、ゆっくりか素早い
かという差はあれど、頭の中でこの計算をします。通常は、瞬間的・
直感的に高い、安い、買う、買わないの決定をします。
●「買う基準」の提案で、お客様の無意識の価値計算を変える
「15万円の冷蔵庫は高い」という判断は、直感的・瞬間的に行われま
す。それを、「10年間で電気代が10万円節約されます」と訴求すると
お客様の買う基準が、理性的・論理的になるのです。
これにより、瞬間的な価値計算では「(短期的には)高い」と思って
いた省エネ冷蔵庫が、「長期的にはオトク」となるのです。「基準」
が、短期→長期へと変わったのです。
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◆購買者心理:「人間は縛って欲しい」
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●「人間は縛って欲しい」
私のディベートの大先輩で、コミュニケーションの助教授の先生が、
「人間は縛って欲しい生き物だ」とおっしゃっていました。
人間は、考えることが嫌いですから、決める時には、何か・誰かに従
いたいのです。その先生は、「偏差値神話」を例に挙げていらっしゃ
いました。偏差値だけが良い学校の基準では無いですが、「神話」を
信じれば考えなくてすむので、それに頼るのです。
決めるに当たっての基準をこちらから提供してあげれば、考えなくて
すみますから、お客様にとってもラクなのです。
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◆ビジネス上の利点:売れなかった人にも売れる
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●今まで売れなかった人にも売れる
「選ぶ基準」を変える提案をすると、今までは、その商品が選択肢に
入ってこなかった方にも売れるようになります。
冷蔵庫を15万円の新型に買い替えることを全く考えていなかった方で
も、「長期的にはこちらがオトク」と言われると、そこで「え?」と
思って買い替えを考え始めるのです。
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◆あなたのビジネスへの応用:新しい「買う基準」の提案
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●時間軸基準(別名:「長期的にはオトク」戦術)
短期的には損かもしれませんが、長期的にはトク、という基準です。
広告代理店が、巨額の広告投資をクライアントに提案するとき、「10
年間という長期で考えれば、今から広告投資をしてブランド構築をす
る方が利益が最大化できます」という説得をします。
英会話学校も、「30万円の投資をしても、英語がこれから30年間使え
る自分になれると思えば安いもの」などという説得をします。
●受益者基準(別名:「他人のためには良いものを」戦術)
他人のために使う予算は、比較的価格に甘くなります。お客様に持っ
て行く手みやげなどは、あまり安いものは持って行きません。
普段は価格にシビアな方でも、家族全員で使うものの場合などでは、
価格だけではなく品質や高級感で選んだりします。
「あなた様だけではなく、ご家族のためにもちょっと良い物を」と言
われると、自分のことを「家族のための出費をケチる人」と思いたく
ないため、安物を買いにくいのです。
●後悔最小化基準(別名:安物買いの銭失いはやめよう戦術)
「あちらの商品を選んだ場合、この機能が無くて後悔する場合がある
かもしれません。こちらの商品なら、全ての機能がついていますので
後から「あっちにしておけば良かったな」と後悔することはありませ
んよ」という言い方が出来ますね。
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◆今日のシャチョーさん(応用例)
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●無農薬野菜販売店
無農薬野菜を販売店の店長さんが、キャベツと、紙の束を手に持って
考え込んでいます。そこを、店員さんが通りかかりました。
店員:店長、どうしたんですか? あれ、その紙は、今日の・・・
店長:そう、売れたま!のプリントアウトだよ。
店員:うちだったらどうすればいいんでしょうねえ・・・
店長:うちで買わない人って、何で買わないんだろうな??
店員:店頭で、商品の価格を見て、「ちょっと高いわねえ」と呟いて
帰られる方が結構多いですから・・・
店長:無農薬だからなあ・・・。そりゃあちょっと高いけど・・・。
どんな「選ぶ基準」を提案すればいいんだろうなあ・・・
店員:この、「長期的にはオトク」っていうのはどうですか? 短期
的には高い野菜でも、長期的には健康が買えてオトク、と。
店長:確かにそうなんだけど、ちょっと苦しいな。
店員:じゃあこの「他人のため」っていうのはどうですか? 主婦の
方は、やっぱり子供さんの体、心配ですよね。
店長:そうか。「大事な子供さんの体のためには、ちょっと高くても
安心なものを」ってことだな。
店員:「子供さんの大事な体」って言われると、そのためにケチるの
は、何となく罪悪感を感じますから、いいんじゃないですか?
店長:じゃあ、さっそく頼むよ。
店員:はい、まずは店内ポスターとチラシですね!
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◆今日のもう一声
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●「買う基準」を変える提案をするためには、商品の強みを知ってい
る必要があります。もう一度強みを見直してみませんか?
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マなのですが、無理矢理1号にまとめてみました。いかがですか?
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Copyright 2003 Yoshinori Sato
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