前号へ 次号へ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■売れるマーケティングは他業界から学ぼう!(売れたま!)■
〜MBAの中小企業診断士がそっと教えるパワフルレッスン〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.008 2003/07/14
購読者:711名 (まぐまぐ:577名 メルマ!:114名 Macky!:20名)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■ 今日のヒント:液体石鹸ボトル ■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今日のポイント ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1回当たりの消費を増やす仕組みを作りましょう。そうすれば、買い
替え頻度が高まります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のヒント:液体石鹸ボトル
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●今は、手洗い石鹸と言えば液体で、ボトルに入っていますね。昔は
石鹸と言えば固形場でしたが・・・。押すだけなので、ラクチンです
よね。固形石鹸だとごしごしとこするのが面倒なので、ついつい使わ
なかったりしましたね。
●しかも、ボトルをぷしゅうと押すと、大量の石鹸が出てきますね。
恐らく、1回分として十分な量以上の石鹸が出て来ます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆MBA的に言うと?:単位当たり消費の拡大
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●Unit Consumption なんて言いますが、1回に使う量を増やす、と
言うことです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆購買者心理:使いやすければついつい使う
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ユーザーが手を洗うときに石鹸を使うかどうかは、石鹸を使う手間
や面倒が影響します。会社の洗面所で手を洗っていたときに、そこに
いた社員が、液体石鹸ボトルを見て、「石鹸がこの形になってから石
鹸をよく使うようになったよ」と言っていました。思い当たるフシ、
ありませんか?
●ついつい大量に出してしまう
ボトルを1回押すと出てくる石鹸の量が、無意識に最適の量だと思っ
てしまいます。私が実験してみたら、半分くらいの量でも十分手を洗
えましたが、半分出すように調整するのも面倒ですので、つい1回分
全て出してしまいますよね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ビジネス上の利点:買い替え頻度の増大
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●石鹸が早くなくなる
液体石鹸の使用量は、
□□ 手を洗う頻度 X 1回当たりの石鹸の量 です。
液体石鹸ボトルは、両方をうまく増やしていますね。早く無くなれば
買い替え頻度も高まりますから、より売れるようになりますね。
さらに、この効果は複利で効きます。手を洗う頻度が30%上がり、
石鹸の量を30%増やせば、1.3 X 1.3 = 1.69 ですから、69%、なん
と約7割使用量が増大します。
●使いやすいとお客様も嬉しい
シャンプーのボトルなんかは特にそうですね。お風呂で、髪の毛が濡
れて目が開けにくいときに、ボトル型のシャンプーは、押すだけです
からラクチンです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆あなたのビジネスへの応用:
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●使いやすくする方法を考えましょう
後工程マーケティングと発想は似ているのですが、お客様が実際に製
品を使う際に、使いにくさ、使う際の障害を取り除く方法が無いかど
うか考えましょう。もっと簡単に使えれば、お客様はより多くの回数
使ってくれます。
●1回あたりの消費単位を増やしましょう
今まで1回に10使っているところを12(20でも100でも良いです)に
する方法を考えましょう。
またまた歯磨きの例ですが、歯磨きのCMでは、大量の練り歯磨きを
歯ブラシに付けている場面が出てきますよね。あんなに付けなくても
歯は十分磨けるのですが、メーカーとしては1回当たりの消費を上げ
たいわけですね。「たくさん付けないと磨いた気がしない」というユ
ーザーもいますので、その意味ではWin-Win になっていますね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のシャチョーさん(応用例)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●居酒屋さん
居酒屋さんの店長さんが、今日のレッスンを読んだようです。店員さ
んと何やら相談中です。
「なあ、あのメルマガあるだろ?」
「ええ、石鹸にあんな秘密があるとは知りませんでした」
「そうなんだけど、それよりさあ」
「うちの店に使えるかどうかってことですよね」
「わかってんならそう言え。」
「ボケてみたんですよ。とにかく、食べ物の場合、一口に食べられる
量を増やすってことですか・・」
「一口で思い出した。サイコロステーキってあるだろ。」
「ええ。」
「あれの、サイコロのサイズを大きくすればいいんじゃないか!?」
「なんかセコくないですか? それもあるかもしれませんが・・・」
「うるさい。それはやってみよう。文句言う位ならお前も考えろ」
「・・・(余計なこと言わなきゃよかった・・・あ!!) 店長、
これはどうですか?」
「何だ?」
「ビールの大瓶って、やっぱり最初はみんな注文しますよね?」
「それで?」
「ビールに使うグラスを大きくするんですよ!」
「!! そうすると、一杯の量が増えるわけだ!」
「なんかそれもセコい気がしないでもないですが」
「いや、継ぐ手間も減るし、いいんじゃないか?」
「最初の一杯って、結構一気に飲む人多いですよね? その一杯の量
を少し増やせれば、ビールの注文増えるかもしれませんよ!」
「なるほどな。1回の量を増やすのに、液体石鹸みたく、形を変える
必要は無いってことだな」
「そう言えば、ビールのCMで、グラスを飲み干す場面ってあります
よね。あのグラスってやたら大きいですが、そこまで考えているの
かもしれませんね」
「なるほどなあ。あと、料理で応用できるかも考えておけよ」
「(もう・・・) はあい。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆お便り紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●素晴らしいメールをいただいたので紹介します。高級ケーキショッ
プの立ち上げを企画している方からです。前号の後工程マーケティン
グからこんな着想を得たそうです。
「メルマガを読んで、こんなことを思いました。ケーキは、買ってい
ったら、家でお茶とかコーヒーと一緒に食べるから、飲み物も一緒に
売れないでしょうか・・・。例えば紅茶。高級ケーキを買う人には、
かなり、多種多様のフレーバーがあって、受けるかも。。。それなら
お店で紅茶教室とかは・・・? そんなに高くない値段で、テイステ
ィングと、この紅茶にはこのケーキ!みたいのを、うまく考えて、そ
うすれば、教室代は入ってくるし、お店の宣伝にもなりますよね。お
まけに、紅茶が売れてくれれば、一石二鳥!地元の人を対象にすれば
確実にリピーターにもなってくれるでしょうし。
<中略>
この話、お店がオープンして落ち着いたら、ちょっと輸入元に相談し
てみようかと思ってます。ダメもとでいいですから」
すごいですね! ケーキを買った人は、その後食べる、という前号の
「後工程マーケティング」、それから「セットメニュー」(創刊号)
等を組み合わせると、色々なアイディアが浮かんでくる、ということ
ですね。ぜひ、「感情的ベネフィット」の加え方も考えてみてくださ
い。結果もぜひ教えて下さいね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆今日のもう一声
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●お客様がついつい使ってしまうような仕組みを考えてみましょう。
お客様は、たくさん使って満足、あなたはたくさん売れて幸せ、お互
いWin-Winの関係になるのが最高です。
**************************************************************
▼今日の日記▲
1行当たりの行数をさらに減らしてみました。読みやすくはなったと
思いますが、タテに長くなってしまうのが弱点です。どちらが良いか
ご意見があればぜひくださいね。ところで、今日は、十数年来の友人
でこのレッスンの愛読者でもある税理士さんと久々に食事しました。
なかなかマーケティングを勉強する時間も取れないそうなので、この
メルマガは勉強になるそうです。そう言われると、頑張って書く気に
なりますね。
**************************************************************
〓〓〓〓〓〓〓<このメルマガを購読するメリット>〓〓〓〓〓〓〓
●簡単でわかりやすいから実行でき、実行出来るから効果が出る!
●他業界の成功事例を自社に応用すれば、あなた発の業界革新!
●MBAレベルの理論と実践がつながるメルマガ
●筆者は、理論と実践に精通し、資格と実績のあるコンサルタント
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<免責事項>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●紹介した会社の各商標は各会社の登録商標です。紹介した会社・商
品等は、例であり、戦略や商品の良し悪しの評価ではありません。
●無断転載は禁じますが企画や会議のネタにぜひどうぞ。全文転送な
ら構いませんので、部下・上司・同僚など周囲の方にもお勧めを!
●メルマガの内容の実行は、読者さんの責任でお願いします。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓<発行者情報>〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●発行者:佐藤義典 ●発行頻度:月・木の週2回目標
●感想、質問、実行の結果などは para@Lpara.com へぜひどうぞ!
●http://www.Lpara.com(ラーニングパラダイス、略してエルパラ)
●購読の登録・解除はまぐまぐ、メルマ!、Macky! の各サイトか、
エルパラ http://www.Lpara.com/mailmag.htm から
Copyright 2003 Yoshinori Sato
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆次号予告:眼鏡拭きの使い方
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●今、眼鏡拭きの売上が急増しているそうです。その理由は?
〓〓〓<また次号でお会いできるのを楽しみにしています!>〓〓〓
▲一番上へ戻ります